

テレビや雑誌を見ていると、「あれ?その読み方ってそんな読みだったっけ?」という疑問がちょくちょく湧いてきます。
以前にも私の中で永遠の謎になっていた「ビュッフェ」と「ブッフェ」の違いについてまとめましたが、この手のメディアマジックに踊らされている人も多いはず。
そんな読み方シリーズの中でも超メジャーなのが「松阪牛」の読み方です。
「まつざかぎゅう?」「まつざかうし?」
あなたならどう読みますか?
ちなみに私は正解がわかった今でも「まつざかぎゅう」って呼び続ける予定なんですが(笑)
そこで今回は、「松阪牛」の正しい読み方についてまとめていきます。
目次
松阪牛の正しい読み方は「まつさかうし」
冒頭で読み方の選択肢として「まつざかぎゅう」と「まつざかうし」を挙げましたが、実はどちらもは不正解。
正しい読み方は「まつさかうし」なんです。
私の記憶だと、テレビや雑誌などのメディアでも「まつざかぎゅう」と読まれていることが多かった印象があります。
ナインティナインさんのぐるナイのコーナー「ゴチになります」とかでは確実に言ってましたからね。幼い頃の私の記憶に強く残っているのはまさにこれです。
しかし、近年のテレビや雑誌などのメディアにおいて「松阪牛」の読み方は意識的に「まつさかうし」に統一されています。
呼び方が「まつさかうし」に統一されている理由
昔までいろんな呼び方をしていた松阪牛が「まつさかうし」と呼ばれるようになったのには理由があります。
2007年に松阪牛協議会など、松阪牛の関連機関が「松阪牛」が入った2語の商標登録を行いました。
その言葉というのは
- 松阪牛:まつさかうし
- 松阪肉:まつさかにく
この2語です。
どうやら三重ブランドとしての確立が狙いだったようです。
この商標登録を機に、テレビや雑誌などのメディアも読み方を統一するようになりました。
今まで通り「まつざかぎゅう」でも「まつざかうし」でも間違いではない
ここまでの内容の通り、松阪牛の商標登録によって「まつさかうし」をメインの読み方として広まっていますが、実は呼び方にこれといった制限はないんだとか。
というのも、松阪市役所に事務局がある松阪牛協議会の農林水産課担当者によると、
「松阪牛」についてはいろいろなとらえ方がありますが、生産地域ではもともと「まつさかうし」という呼び方をしています。また、登録商標では、松阪肉は「まつさかにく」、松阪牛は「まつさかうし」となっています」
これに加えて、
よく「生きているときは○○うしで、肉としては○○ぎゅうと呼ぶ」なんて言う人もいますが、それは関係ありません(笑)。販売においても、音読みと訓読みの違いだけで、どちらが正しいとか間違いということはないんですよ。
このように語っています。
世間の「松阪牛」の読み方はどれが多いのか

といった具合に、ここまでの内容を知ったところで、私の固定概念はそんじょそこらじゃ覆りません(笑)
そこで気になるのは今現在の世間での「松阪牛」の読み方です。

本当はテレビで年代ごとの読み方を調べたかったのですが、個人調査に限界を感じ、「Google Trends」というツールを使ってみました。
2004年から2019年8月現在までに「松阪牛」の読み方がどれくらいの比率で検索されているのか調べています。
比較する呼び方は濁点も考慮して
- まつざかぎゅう(青)
- まつさかぎゅう(赤)
- まつざかうし(黄)
- まつさかうし(緑)※正解
この4語にします。
では、結果を見ていきましょう。
少し見にくいですが、2004年から「まつざかぎゅう」と「まつざかうし」の読まれ方がぶっちぎりで多いです。
正解である「まつさかうし」は3番目という結果に。

松阪牛の読み方についてのまとめ
今回は、私の中で化石化しそうなくらい長い時間を謎めいていた「松阪牛」の読み方についてまとめていきました。
まとめると、
- 「まつさかうし」が正しい読み方
- 三重県のブランド化のために松阪牛が商標登録されたのがきっかけ
- 近年メディアでは「まつさかうし」に読み方を統一している
- 現在も「まつざかぎゅう」「まつざかうし」(不正解)の読み方をしている人が圧倒的に多い
このようなことが分かりました。
「ビュッフェ」と「ブッフェ」の違いの時のように、またメディアにコロコロ踊らされていたのかと腹が立っていましたが、今回は違ったようですね。
結局のところ、発端は三重県のブランド化戦略だったようですが、2007年に商標登録しているのに、まだ浸透していないのはちょっとヤバいのでは…と思ったり思わなかったり(汗)
世間の声の比率を知った今、私はこのまま「まつざかぎゅう」と自信を持って読み続けることができそうです(笑)
